笑いのアル生活

日常にクスッとした笑いをみつけたい

悪筆

わたくしは悪筆で、
新入社員の頃、
あまりのひどさにお局様が
「ヘビスモさんちょっとここにきて他の人の字を見てごらんなさい。この人は一件乱雑そうだけど、同じような癖だから読める。でもあなたの字は読めない。悪筆というより読めない。文字を書くときはたてはたて、横は横にきちんと書いてちょうだい。わかったわね」
と言われてことは記憶に新しく、

またべつの上司からは
「もっと丁寧に書かんか!」
と怒鳴られたこともあり、

この悪筆の原因は記憶力の悪さからきており、
何か書きとどめておかないといけないとき、
わたくしの記憶よりも早い速度で物事が進行していくと
文字を書くスピードが追いつかず、
だから悪筆になるのです。

少しでも記憶力がある方は
物事が先行しても後追いして文字を書くことができるようですが
わたくしは同時進行でなければダメなのです。

会話の記録なら
話す速度と書く速度が一致していなければならないというわけ。
そんなの速記じゃないから不可能なかわけで
だから悪筆になるのです。

わかっていただけますか?

で、
こうなるとどういうことが起こるかというと
自分で書いた文字が自分でも読めないようになるのです。
多分、記憶力が普通にあれば
悪筆でも自分の記憶と重ね合わせて
「そうそう、これはこういう内容だった」
と回想できるのでしょうが、
わたくしの場合、記憶も吹っ飛んでいるのでそれができず、

で、あるとき会議に参加していて
自分のメモを見ながら話していると
何を書いているのか読めなくなってしまって
「えーっと、うーんと。これ何て書いてるんだろう」
と困窮していると
隣に座っていた上司がわたくしの文字を解析してくれ
「なんで自分の読めない文字がこの人には読めるんだろう」
と不思議に思ったことがあるのですが、

きっとこういう人が一を聞いて十を知るんだろうな
と畏敬の念を抱くと同時に
わたくしには会議の記録なんてできないよ、と逃げ回っているのが現状です。