笑いのアル生活

日常にクスッとした笑いをみつけたい

スマホ紛失

先週、散歩から帰って朝食を摂ったり洗濯をしていると
スマホがないことに気づき、
家の固定電話からかけてもどこからもバイブの音は聞こえず、

まだ寝ぼけ眼の家族をたたき起こして
「ないない、スマホがない!」と大騒ぎすると
「またですか、お父さま。たしか去年もスマホをなくしたではありませんか。首からかけておいてはいかがですか?」と真顔で言うので、
「そんな子どもか認知症のような真似ができるか! それよりもどうしよう」
と沈思黙考したところ

スマホは散歩に持っていった。
100m近くある崩れかけの石造りの突堤の先端まで行き
海の風景を撮影した。
そのとき
「もしこれを落っことしたら石垣の間に入り込んでひらうことはできないだろうな」
と夢想したところまでは覚えている。
あと、公園へ行って散歩のシメの腹筋をして、
家に帰ってからシャワーを浴びて・・・

そうか、
シャワーを浴びたから
洗濯機の中に服と一緒に入っているかもしれない
とスイッチを入れたばかりの洗濯機を緊急停止してポケットを探ったけれどもない。
念のためスマホに電話をかけたけどバイブの音はしない。

残るは腹筋したときズボンのポケットから落ちたことぐらいしか思いつかない、

というところで
「お父さま、以前もそうされたと思いますが、GPS機能で検索してはいかがでしょうか?」
と我が子が言うので、
「そうであった。前回もそれでなんとかなったんだ」
と思い出し、

パソコンを起動させて「スマホ・紛失・検索」と入力すると
グーグルにログインすすれば位置情報が確認できるとあり、
で、やってみると市内全域を指し示し
「なんたること。これでは位置情報がないに等しい」と落胆し
しかし、何度も何度もやってみると特定の位置を指し示すので
「おお、これは!」とよくよく見てみると
たしかに散歩コースではあるのですが、
最後に腹筋した場所から2㎞は離れた場所で、

車で急行しても人影はなく、
「もしかすると草むらにでも捨てられているのかもしれない」
とくじけそうになったのですが、
たまたま会社の携帯を持ち帰っていたので家に電話を入れ、
「ここは公園と道路の境目だけど、西か東か北か南か、パソコンの位置情報を教えてくれ」
と訊ねても要領を得ず、
そういえば我が子は、
あの歳になっても東西南北が分からないという
とんでもない人間であったと思い出し、

パソコンから遠隔で着信音を鳴らす機能があるとのことで
鳴らしてもらっても音は聞こえず、

そしてなぜかその日はマラソン大会の日で、
パソコンの位置情報は
ラソン大会の会場と公道との境目を指しており、

「落とし物の届け出があるかもしれない」
とグルッと大回りをして大会の主催者がいる会場へ行き、
「あのー、落とし物があったら教えていただきたいのですが」と言うと
最初は丁寧だったのに
競技参加者でないと分かった途端
「それは管轄外です」と言われてしまい、
公園の管理事務所へ行ってやっと落とし物の手続きを受け付けてくれ、

家に帰ってパソコンで位置情報を検索するとともに
着信音を何度かならしても反応はなく、
我が子が
「お父さま、再読込をしないと位置が変わっていても分からないのではありませんか?」
と言うので
「おお、そうかもしれない」
とリロードを行うと近くの交番を指し示し
「助かった。誰かが届けてくれたんだ」と携帯に電話を入れてると
男性の声がきこえ

「もしかすると警察の方ですか?」と訊ねると
「そうです。今すぐ取りに来て下さい」とのことで、

すぐさま交番へ受け取りにいくと
拾い主もまだおられ、

なんでも拾った携帯を持って畑に行き
一仕事終えてから交番に届けていただいたらしく、

届けていただいて感謝はしているのですが
もう少し早く持ってきていただければ
さらにありがたかったとは言えませんでした。

これにて一件落着。