笑いのアル生活

日常にクスッとした笑いをみつけたい

あとのまつり

親を四国の温泉旅行に連れて行ったときのこと
わたくしは旅館へ着くやいなや共同浴場へとびこみ
すると地元の方とおぼしきじいさんが
湯船の中で立ち上がり、ニコニコしながら体を洗っていて
それも石けんをたっぷりつけてゴシゴシやっていたものだから
垢まみれの泡が温泉の表面を覆う大惨事で、

「もしかするとこの温泉ではこうしたスタイルが一般的なのかもしれない」
と疑いつつもシャワーだけで済ませ、
当然のことながら温泉へつかる客は一人もおらず、

自室に戻ってしばらくボーッとしていると
親から食事の用意ができたから食べに来いとの内線電話がかかってきたので
開口一番
「温泉にひどい客がおったやろ」
と父親に言うと何のことか分からない様子で、
「温泉の中で体洗ってたじいさんがおったやろ」と教えると
父親が行った時にはすでにじいさんが出たあとで、
「あの泡は温泉の成分やと思った」らしく、

翌朝
寝起きに温泉へ入った父親によると
昨夜とは打って変わって透き通った温泉だったと不機嫌な声で話してくれ、
(きっと夜中に温泉を入れ替えたんだ)

うん。
人生にはこんなこともあるさ