笑いのアル生活

日常にクスッとした笑いをみつけたい

Maria Yudina

コロナ静養中で暇を持て余しyoutube三昧。

ピアノ曲が頭の中で鳴り続けているので

youtubeで色々な演奏家の音楽を探しているとたくさんあるものです。

そして目にとまったのがマリヤ・ユーディナのピアノ演奏。

彼女の演奏がこんなにたくさんyoutubeにアップされていたんだ。

日本ではメジャーではありませんが、

ロシア人の彼女は秀でた才能を持ち、ショスタコーヴィチ等と共に音楽を学び、

小さい頃から頭角をあらわしていたそうです。

ちなみにわたくしが最初にユーディナを知ったのはレコードではなく

ショスタコーヴィチの証言」から。

当時はスターリンが台頭していた時代で芸術家に自由などというものはなく

自由がなかったのは芸術家だけではなかったようですが、

とにかく冷戦下における圧政が敷かれて過酷な時代だったようです。

その中にあって、ユーディナはスターリンの寵愛を受け、

彼女の音楽を愛された。

以下、「ショスタコヴィッチの証言」から

 

あるときスターリンがラジオ放送の指導者の集まっているラジオ委員会に電話をかけ、

「昨夜ラジオで聴いたモーツァルトのピアノ協奏曲二十三番のレコードがあるか」とたずね、

さらに

「ユーディナがピアノを弾いていた」と彼は付け加えた。

昨夜のラジオ放送は生演奏でユーディナの演奏するモーツァルトのレコードなどない。

しかし「ない」と言うのは自分に対する死刑の宣告であり、

真夜中にオーケストラと指揮者、そしてユーディナが招集された。

最初の指揮者は恐怖のあまり思考がマヒしてしまい、

二番目の指揮者もわなわな震えて間違えてばかりでオーケストラを混乱させ、

三番目の指揮者でどうにか最後まで演奏することができた。

結局、翌朝までに録音は済み、

翌日、歴史に残るほどの短時間のうちにたった一枚だけのレコードが仕上がり、

スターリンのもとに届けられた。

これは文句なしにレコード(記録)だった。