笑いのアル生活

日常にクスッとした笑いをみつけたい

モデルさん

散歩友だちのもうお一方はすらりとした長身の美形。

わたくしたちは「モデルさん」とあだ名をつけ、

毎朝3人で雑談に興じています。

もうすぐマスクの“義務化”が解除されるらしく

今朝の話題はそのことについて

「マスクのおかげで口紅は売れなかったでしょうね」

「わたしは口紅なんて元々買わない。結婚前のを今でも使ってる」

とおっしゃる彼女は70前後のはず。

早婚の彼女が結婚前の口紅となると・・・

「いくらなんでも口紅が腐るでしょ」

「いいえ、まだ十分使えるわよ」

「使える使えないという以前に、どうして結婚前の口紅がまだあるんですか? なくならないんですか?」

「100本ぐらいあるからまだまだなくならないわよ」

「ふーん、それってご自分で買われたわけじゃないんでしょ。もらったものがほとんどでしょ。貢がれた口紅が100本以上」

「100本はくだらないわね」

「口紅だけでそれだったら、ブランド物の財布やバックもたくさんでしょうね」

「ええ。百貨店に勤めてたから、帰りに守衛さんが中身を確認してた。しょっちゅう財布やバックを持って帰るから、万引きと疑われたみたいね。でも最後は仲良くなっちゃった」

「ふーん」

「前にも言ったでしょ。仕事が終わる時間になったら道路にずらっと車が待ってるの。そしたらおまわりさんがやってきて、『ああ、あんたか』て」

「きっとおまわりさんもモデルさんと話がしたかったんですよ」

「そうかもね」

「きっと毎日楽しかったでしょうね」

「楽しかったわ」

「毎日口紅やバックが飛んでくるんですものね。でもボクらも季節になったらご近所から大根や柿が飛んできますものね」

「うふふ・・・」