星新一が突然の腹痛にみまわれ、
かかりつけ医に電話すると数時間してから来いとのことで、
激痛に苦しみながら時間をやりすごし
約束の時間に病院へ到着すると、
「どうです?痛かったでしょう。電話で伺った内容から、痛みは本物でも命に別状はないと思ったのでわざと診療を遅らせました。おかげで本のネタになったでしょ」
とのたまったものだから
温厚な星新一も怒りに言葉を失ったらしく、
さらに、
「痛みは注射をしている間になくなってきますからね」と注射をしてもらうと
ホントに注射を打っている間に痛みが薄れてゆき、
このエッセイを読んだとき、
「なんてひどい話だ。わたくしが同じ立場だったら激昂して医者に怒りをぶつけていたかもしれない」
なんて思ったのですが、
でも、医者の言うとおり
この話をエッセイに書いてお金になったのは事実です。