笑いのアル生活

日常にクスッとした笑いをみつけたい

空想と現実

訳者が意図しているかどうか

翻訳ものの小説を読んでいるとき

「これはなんだ?」と思うことがあって、

たとえば、

金持ちの医者はチョコレートを溶かして飲みながら

満足そうに窓から外を眺めた。

というニュアンスのことが書いてあったときは、

「外人の金持ちはチョコレートを溶かして飲むのか」

とチョコレートを溶かした飲み物を空想し、

よくよく考えてみると、これはココア。

子どもたちが美味しそうにレモネードなるものを飲むシーンでは

「レモネードとはいったい何? きっとレモンに関係するのだろうけど」

と淡い期待を持っていたところ

レモネードがなまってラムネとなったという説を聞いてがっくりとし、

ヘミングウェイの「老人と海」から

「わしはやっぱり缶詰のビールが好きだな」

というシーンから

「へえ。外国の漁師は缶詰のビールを飲むんだ」と

みかんの缶詰のような缶にビールが入っているものを想像していたのに、

缶詰のビール=缶ビール

と知って愕然とし、

これからも翻訳物にはメルヘンを残していただきたく存じます。